フリーランスエンジニア手取りの計算項目を分ける

月単価から、一律の割合を引いて手取りを決めることはできません。請求した額、入金した額、税務上の所得を分けて記録します。この記事では、個人で受託する人の生活費に回せる現金を整理します。

法人から役員報酬を受ける場合の計算は、ここでは扱いません。また、フリーランスの収入が全て事業所得になるとは限りません。国税庁は、所得の性質によって事業所得や雑所得などを区分しています。S3

記録するもの意味記入する資料
請求額相手へ請求した金額請求書と精算明細
入金額実際に口座へ入った金額通帳や入金明細
税務上の収入収入に計上する金額契約、帳簿、計上時期の確認
税務上の必要経費所得計算で控除する業務費用帳簿と領収書など
適格請求書発行事業者の登録登録の要否は取引先と税務署に確認取引先からの依頼内容と税務署の回答
生活費へ回す額支払や取り置き後の現金下の記入式で整理

事業所得に該当する場合は、総収入から必要経費を引いて計算します。S1この所得の金額を、そのまま生活費として使えるわけではありません。税や保険の支払、未入金の売上も別に確認します。

国税庁は、原則として収入すべき権利が確定した金額を計上すると説明します。入金日や請求日だけで決まらず、現金主義を選べる特例もあります。S6自分の計上方法を確認し、入出金表だけで申告額を決めないでください。

例えば、12月の仕事の報酬が翌年1月に入る場合を考えます。現金の入金表には1月に記録し、所得計算上の計上年は別途確認します。両方の欄を持つことで、未入金と記入漏れを区別できます。

フリーランスエンジニア手取りの経費と保険を入力する

最初に、当月の入金から生活費へ移す上限を考えます。以下は税額計算式ではなく、現金を配分するための記入式です。借入や自分の別口座からの移動を、仕事の入金に足さないでください。

記号と項目記入内容二重計上を防ぐ注意
A:当月入金仕事の対価として実際に受け取った額未入金の請求は含めない
B:当月入金から払う事業費通信、機材、交通費などの支払Cと、過去の取り置きで払う分は除く
C:税・保険へ配分当月入金から払う分と新たに確保する分過去の取り置きから払う分は除く
D:事業の予備資金今後の固定費や機材更新用に新たに残す額生活用の支出とは分ける
生活費への振替上限AからB、C、Dを引いた残りマイナスなら現金不足を確認

Cを決めるには、今後の納付見込額と、既に確保した額を用意します。差額をいつまでに用意するか決め、当月の配分額を記入してください。必要額が分からないまま、Cをゼロにして試算を終えないことです。

過去の取り置きから払った分は、その取り置き残高を減らします。BやCで重ねて差し引かず、入金からの配分と分けて記録してください。

税の欄は、所得税・住民税などの該当する納付額を個別に置きます。消費税や個人事業税も、自分に納付が生じるかを確認します。該当するか不明なら、税務署や税理士へ確認する項目に残してください。

必要経費と、現金の支払額も一致するとは限りません。国税庁は、経費の計上時期や減価償却費などの扱いを示しています。S2機材を買った月の支出を、全てその年の経費とは決めつけません。

自宅の通信費などは、仕事で使った部分を記録から分けます。家事関連費は、業務上必要な部分を明らかに区分する必要があります。S2所得税や住民税は必要経費にならず、現金表では別の支払です。

健康保険は、選んだ制度の個別見積りや通知書を使います。国保は前年所得や世帯、市区町村によって保険料が異なります。S4任意継続や扶養の条件も確認し、一律の保険料率を当てはめません。

年金は、退職後の加入区分と対象月を確認して記入します。S5本人や配偶者の状況によって手続が異なるため、会社員時代の額を写しません。税・保険の見積りが変わったら、Cの配分も更新してください。

フリーランスエンジニア手取りを稼働月数で試算する

月ごとの表ができたら、1年分を並べます。年間の生活費を賄えるかと、途中で残高不足になるかは別に見ます。単価が同じでも、稼働する月と入金する月がずれる点に注意します。

以下のPは、同じ条件で1か月稼働した場合の税抜請求額です。精算や日割りがなく、単価が変わらないと仮定した比較用の式です。実際の契約では、各月の請求見込額へ置き換えてください。

比較用の稼働月数税抜請求額の合計別に反映するもの
12か月P×12年末の未入金、休みと精算
11か月P×11稼働しない月の固定費
10か月P×10次の案件の入金までの支出

この表は、12か月働けるという見込みや、手取り額の提示ではありません。税抜請求額を、そのまま月計Aの実入金額に使わないでください。

契約と明細で消費税相当分、振込手数料などの差額と入金時期を反映します。消費税相当分も、納付の要否と取り置きを確認するまで自由な手取りとしません。実入金額からB、C、Dの年間配分を整理し、生活費の必要額と比べます。

比較したい生活費の下限も、月ごとの実績から記入します。不足する場合は、必要な売上、費用、稼働条件を再検討してください。税や保険も変わり得るため、不足額をそのまま単価へ足すだけでは終えません。

年末に残った税・保険の取り置きは、自由に使える余りとは分けます。翌年の納付に充てる額は翌年へ引き継ぎ、もう一度経費として引きません。当年の現金配分と、税務上の所得計算を最後まで分けて管理します。

短期の入金不足は、案件が途切れる期間の備えで確認できます。独立するか迷う場合は、正社員との保障比較も使ってください。計算に必要な個別条件がそろってから、受ける案件の下限を決めましょう。